おうちの図面や模型を残す

おうちはどこもかしこも、思い出だらけですね。私たちは、おうちがどんなふうに使われているのか、どんな思い出が残っているのか、おうちの図面や模型を囲んでご家族やそのご友人と話しながら制作しています。何も残さなければ思い出すことが難しくなってしまいます。おうちの今を図面や模型という形で切り取って残すことで、おうちのことを思い出すきっかけになればいいなと考えています。
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プロジェクト名:模型に記憶を描きこむ
実施場所:東京都台東区など
製作期間:2022.5.10~6.5など
製作メンバー:杉山由香
▲「次の生活への希望」展の最中に、私と父が手放してしまったおうちの模型を即興でつくり、
各部屋にどんな思い出があったのか、文字や人を描きこんでいきました。
▲上の模型のベースとなったおうちの図面です。青い絵は父が描いた建築計画時のもので、
赤い絵は娘が描いた、どのようにその場所が使われているか示したもの。
▲手放したおうちの庭に生えていた思い出の樹木の配置図。
現代美術家の山本愛子さんと共同で制作したものです。
▲まちを歩いていて、とても魅力的だったので実測させていただいた酒屋さん。
酒屋さんを営んでいるおばあさんは、とても丁寧にこの古い住宅を住みこなしておられました。
2日間にわたる実測の途中、お昼ご飯や夕ご飯をともにして、色々なお話をしました。
さいごに、「丁寧に住んでくれてありがとう」という内容の賞状を
ルーズリーフでつくり、この実測図面と一緒におばあさんに渡したとき、
「こんなばあちゃんが居たって、忘れないでね」と
おばあさんが涙を流してくださったことが忘れられないのです。